罪深き愉しみ

 固有名詞を記憶していないお菓子がある。12年前の年の瀬、バルト三国のラトビアにふらっと旅に出たときに知ったものだ。どこのスーパーの冷蔵冷凍コーナーにもこれが何種類も並んでいた。日本でも一時期、業務用スーパーが入荷していたらしいのだが私は残念ながら現物を目撃する機会がなかった。先日、なんとKALDIでロシア産のこれと遭遇した。

 KALDIでは「ロシア プレミアムチーズ」と呼ばれているらしいが、パッケージに書いてある一般名詞はТворожный сырок(カッテージ・チーズの意。短縮してсырокとだけ呼ぶ場合もあるらしい。なおсырだけだと普通のチーズの意味になる)だ。そしてメーカー名はB・Y・アレクサンドロフ。こちらは創業者の名前らしい。(公式サイト:https://by-alexandrov.ru/

 この菓子は乳脂肪の塊、主にカッテージ系のチーズとクリームに薄くてパリッとしたチョコがかかったおやつなのである。当然、カロリーの塊だ。あざらしのような姿になって冬を生きのびるためには必要なお菓子なのかもしれない。で、肝心の味のほうだが、日本語のネットの中では結構評判が良いようだが、個人的にはラトビアで食べたやつのほうが断然旨かった気がした。記憶が美化されている可能性もあるが、メーカーの違いだけでなく、ラトビアで売っていたものは消費期限が数日くらいで断然フレッシュだったからではないかと思う。ゆえに持ち歩けず、買いだめできず、残念だったおぼえがあった。今回のロシアから輸入されたものは、おそらく冷凍できて長持ちする製品だ。乳製品部分のフレッシュさ、ミルキーさがさほど強くない。というわけで「ロシア プレミアムチーズ」を気に入った人も、いまいちだった人も、機会があれば別メーカーの製品で再チャレンジしてほしい。しかし溶けやすいし、高脂肪だし、残念ながらあまり流行る要素はなさそうだ。日本に根づかせるなら北海道のどこかの牧場とコラボして、冬季限定提供にするほかないのかもしれない。

 なお忘れていたラトビア語での呼称はBiezpiena sieriņšだとこの機会にぶじ突き止められた。皆さんもラトビアに行ったら探してみてほしい。くりかえすが、どこのスーパーにでも色んな種類が売っている。ただし食べ過ぎにはくれぐれも注意を。

Be the first to reply

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です